ツブヤ大学「日本のMakeはどこに向かうのか?」 at DMM.make AKIBA
終わるのが惜しくなるような、惹きつけられるトークセッションでした。行ってよかった。もう一時間、聞いていたかった。
ツブヤ大学「日本のMakeはどこに向かうのか?」 2015.1.27 at DMM.make AKIBA http://peatix.com/event/69062
3Dプリンタにはいろんな利点があるけど、何よりも、データだけ流通させられるから関税がかからないという利点がある。(遠藤さん)
Maker って、昔のシンガーソングライターみたいなもの。歌詞作って、曲作って、歌って。分業せずに、なんでもできる。今はそれが普通になった。maker という言葉も、20年後には溶け込んで、当たり前になる。
3Dプリンタで、いびつなプラスチックが存在できるようになった。造形に失敗してゴミ箱に捨てたやつを友人が拾って「これはいいっ」とか。お前は千利休か!(土佐さん)
3Dプリンタでプラスチックが制御できるようになったのは画期的。それまではフィギュア造形のごとく一つひとつ手で流し込むか、数百万かけて金型をつくらないとできなかった。(土佐さん)
プラスチックが制御できるようになって嬉しいのは、ここにいる人たちだけ。家庭の主婦は喜ばない。素材が大事。セラミックが本命。自分の子供にぴったりのサイズの食器を作れるようじゃないと。(小笠原さん)
明和電機は父親が経営していた会社の名前。小学六年生の時に倒産した。倒産直前は悲惨。自分も可変抵抗器の製造をさせられた。嫌で逃げ出したり。自分は芸術家になりたかった。芸術家と町工場が合わさってできたのが今の明和電機。(土佐さん)
いろんな背景の人が集まると、モノそのもので採算を取らなくても、後でオプションやネットで回収するという案も出てくる。積み上げ式コストでなくていい。Celevoにも、家電メーカー出身者に加えて、おもちゃメーカー出身者が入った。すると作り方が違う。(小笠原さん)
make界隈はバブる。そう断言してしまう。(小笠原さん)← 大事なことなので2回言った
iPhoneケースを作るようになったのはたまたま。元はTシャツ屋だった。Tシャツ業界は夏と冬で需要が格段に違う。事業の継続が難しくなって、何とかしなきゃと、iPhoneケースに手を出した。ケースは岐阜で作っている。岐阜のものづくりはすごい。ものづくりの人はシャイ。そういう人たちをだまくらかして(=協力してもらって)15万円のぼったくり(=高級)iPhoneケースを作った。航空機に使われる超々ジュラルミンを高精度に加工。(後藤さん)
ECがすごいといっても、ネットで流通するTシャツは高々5%程度。不動産とか、実店舗とかの、リアルの方が圧倒的に大きい。(後藤さん)
DMMがやらなければ3Dプリンタブームはもう終わっていたかもしれない。昨年タイで3Dプリンタがすごく流行っているというから展示会に行ったけど、どこにもなかった。小資本の出力サービスは続けられない。大手が大々的にやるから谷を超えられる。(原さん)
2年ほどまえにIoTという言葉が出た。乗ってみようと思いDMM に企画を持ち込んだ。まずは3D出力サービス。次にものづくりログ。そうしてDMM はメイカーの味方という雰囲気を作る。そして .make AKIBA。ここまでは企画書の筋書き通り。(小笠原さん)
モノを作ると、最終的には BtoB で流通させる必要がある。Bへの営業や出荷などの雑務はしんどい。やりたくない maker も多い。そういうところをサポートしたい。(原さん)
DMM.make AKIBA の椅子やテーブルは造園屋をやっている弟が作った。スチームパンクっぽいやつを、と頼んだ。スチームパンクだと行き過ぎ。「っぽい」でやりたいことが通じるのは、弟との数十年の付き合いがあるから。床材も、アメリカで古い工場を解体するという話を聞いて、コンテナで買い付けに行ってもらったもの。(小笠原さん)
事業としてものづくりをする maker と、日曜大工的 maker がいる。議論する上でそこは区別する必要がある。DMM.make はその真ん中あたりを狙っている。(小笠原さん)
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日本のMakeはどこに向かうのか?【DMM.make AKIBAで取材しました】 http://blog.sideriver.com/flick/2015/01/makedmmmake-aki-3846.html