Yahoo! Search BOSS
Web全体をインデックス化して独自のサーチエンジンを作るには、数百億円かかるらしい。Yahoo! が公開した BOSS (Build Your Own Search Service) の API を使うと、資金力のない企業にも、アイデア勝負で独自の検索エンジンが作れる。
<p>Yahoo! Search BOSS は、Yahoo! が莫大な資金を投入して作成した検索インデックス、検索機能を API を通じて公開するもの。Yahoo! Search API との違いは、クエリの数に制限が無いこと、検索結果の表示方法に自由があること、など。</p>
<p>クエリの数に制限が無いといっても、bot による大量データ取得などの、Yahoo! が意図しない利用に対しては、規約上、Yahoo! は制限することができる。</p>
<p>こんなサービスを無料で提供して、Yahoo! は何で儲けるのかというと、もちろん広告。</p>
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8. FEES AND PAYMENT</br>
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Yahoo! reserves the right, in its sole discretion, to charge fees and/or require the display of Yahoo!-supplied advertising on Your Offering, under additional terms and implementation requirements, for future use of or access to some or all of the Services or other APIs made available by Yahoo!. If Yahoo! decides to charge for the Services or require the display of Yahoo!-supplied advertising, such charges
and additional terms and conditions (including implementation requirements designed to protect Yahoo! advertising networks and exclusivity for sponsored search advertising) will be disclosed to You prior to the effective date when such fees or requirements would be imposed.
http://info.yahoo.com/legal/us/yahoo/search/bosstos/bosstos-2317.html
= 抄訳 =
Yahoo! は、自らの判断で利用規約または実装規約を追加することにより、課金を行うか、または、検索結果に広告を表示することを要求する権利を持つ。課金または広告表示の要求を行う際には、事前に規約を公開する。
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<p>検索結果に Yahoo! が提供する広告を表示するか、広告を表示しない代わりに利用料を払うか、のどちらかの選択ができるようになるらしい。</p>
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REVENUE SHARING</br>
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In the near future, we will launch a monetization platform enabling Yahoo! and partners to jointly participate in the economics of BOSS-powered search products. Either Yahoo! sponsored search integration, with certain implementation and exclusivity requirements, or potentially a payment model, will be required above a specified query threshold.</br>
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収益の分配</br>
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近い将来、Yahoo! とそのパートナーが BOSS を用いた検索製品により収益を上げるための仕組みを立ち上げる。ある決められたクエリ数を超える場合は、実装上の制約と Yahoo! の独占利用の制約を行う。あるいは、課金を行う可能性もある。
</blockquote>
<p>広告収入は、Yahoo! と BOSS の利用者との間で分ける。全て自前で作れば得られた筈の広告収入が減ることを受け入れる代わりに、資金力無しでは実現が難しい検索性能が手に入る。</p>
<p>Hakia という会社では、文書中に現れる人、場所、ものなどの概念を捉えた上で、適切な結果を返すサービスを BOSS を使って構築した。検索クエリを BOSS で処理して、得られた結果のページを、自社で持っているウェブページの意味データと組み合わせてランキングする。自社のデータベースにないページであれば、新たにクロールする。どのみちクロールするのだが、BOSS を使うことによって、必要のないページ、重要度の低いページのクロールを避けることができる。</p>
<p>Yahoo! Search BOSS は、Yahoo の戦略的なサービスなのだろう。
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<li>Yahoo! の検索結果が露出する機会を増やすことによって Google を追う。</li>
<li>BOSS の利用によって成功しそうな会社を見つけたら、買収する、かも。</li>
</ul>
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<p>参考
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<li>http://developer.yahoo.com/search/boss/</li>
<li>http://www.technologyreview.com/Infotech/21342/</li>
</ul>
</p>