2012年8月27日に六本木ヒルズで開かれたNHNジャパン・森川亮(もりかわ あきら)社長のセミナーに参加してきました。

■ スマホ時代 ・スマホ時代になってアプリが有機的につながるようになった。ゲートウェイとしてのLine Channelを目指す。Yahoo!のようなポータルは、いずれ無くなる。検索やソーシャルから直接流入するから、ポータルの集客力は不要。一つひとつがNo.1のサービスでなくてはいけない。

■ ゲーム論 ・10年以上前から、コミュニケーションのきっかけというものを考えてきた。映像ではコミュニケーションが生まれず(森川さんは日本テレビ出身)、ゲームのほうがやりやすい。 ・ゲームは、勝ち負けが明確だと、人間関係が悪くなる。大富豪のように、たまたま勝った負けたはOK。オセロ、将棋、卓球のような、賢いもの、強いものが勝つゲームはだめ。日本人は頭が悪いと思われたくない。運が悪かった、と言えるものがいい。 ・今人気のソーシャルゲームはお金を使えば勝てる。日本人は、年功序列で頑張った者が報われるものが好き。ソーシャルゲームはお金を使えば勝てるが、他に頑張りようが無いとも言える。ゲーム内で褒めてもらえるので、現実が厳しい分、ソーシャルゲームでは幸せになれる。 ・ゲームは中間層が満足できるものを。 ・シンプルで遊びやすいゲームはいいが、儲からない。 ・ゲームはかなりやり込んでいる。週末はずっとゲーム。自社のゲーム、提携先のゲーム、いろいろ。

■ Line ・FacebookやTwitterは、発表するものを持っているユーザーにはいい。ROMユーザー向きではない。 ・Lineの価値は、気軽にメッセージを送れること。 ・Lineは、広告を載せただけでユーザーがさーっといなくなるのではないか。

■ 企業文化 ・今まで数えきれないくらい失敗してきた。NHN Japanでは、ホームランしか狙わないから三振が多い。その分、当たると大きい。失敗を見極めて撤退するのも極めて速い。今までで一番の失敗は、Google超えを目指して作ったNaverの検索。Lineはとにかく、失敗しないように気を使っている。 ・NHN Japanの前身会社に入ったのは35歳のとき。何もわからない平社員だった。渋谷の雑居ビルで社員30人くらい。入社初日に行くと、配属されるはずだった部署がなくなっていた。社長もいないので、そこ座っててと言われて一日過ごした。社長が現れたので聞くと「よくあることだから、まあ頑張って」と。42歳で社長に就任した。 ・変われることが大事。だから約束しない。約束したら、変わるときに約束を破らないといけない。約束しなければ説得もいらない。先のことを語らない。戦略も語らない。事業計画も作らない。 ・Lineに課している数値目標は、年内に1億ユーザー、という1点のみ。現場の社員はコストがどのくらいかかっているかさえ知らないはず。 ・必要な人と不要な人はすぐわかる。そこそこの仕事は与えない。大変なもののみ。それを取りに行くかどうか。やる気の無い人をやる気にさせるのは難しい。どこの部署でも欲しがらない人材に対しては、傷つけたとしても、率直にそう伝える。 ・変なやつを採用する。何かを作りたいひとが作る。起こしたい人がいれば起こる。偉い人が計画して年内に何個作るとかはだめ。現場にヤバい人を入れる。安定してくると甘くなる。甘すぎるジュースは飲めない。炭酸を入れる。

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