株式会社アイ・エス・ティさんの「光源追跡マイクロロボット MR-LST-1406」のキットを組み立てました。縦横1インチ(2.54センチ)角、高さ19mm、重量ぴったり10.0gの、小さなロボットです。高さは、部品の足を短く組めば、あと2mmくらい低くできそう。

電源はLR44型ボタン電池2個。車輪を動かす2個のモーターは、1円玉と比べてもかなり小さいのがわかります。それでも、想定外のスピードできびきびと走ります。

回路図はシンプルです。明るさを検知してモーターを動かす回路が、左右それぞれに一系統ずつあります。まず、フォトトランジスタ ST23G で明るさを検知します。明るさの検出は、昔なら CdS が一般的でした。応答速度が数十msと遅く、素子によるバラツキが大きいとのことなので、おそらく今回のような制御には向かないのでしょう。応答速度の遅さがデメリットかというとそんなこともなく、昼夜を識別するセンサーの場合は光の点滅による誤動作が起きにくいため、今でも数多く使われているようです。

さて、光量に応じて出力された電流を、トランジスタ 2SC1815 で増幅します。その増幅した電流でモーターを動かします。光源に向けて進めるためには、右が明るければ左の車輪をより多く回し、左が明るければ右の車輪をより多く回す必要があります。したがって、左のフォトトランジスタは右のモーターを制御し、右はその逆になっています。

こんな素朴なアナログ回路でも、光源の追跡ロボットが作れるのですね。

組み立ては、電子回路部分は特に問題ありませんでした。基盤が小さいので、何か固定する道具があると作業性が上がりそうです。メカ部分に、やや何があります。車輪の外周を、モーターの軸で直接駆動することで、ギア比を下げつつ車輪を回転させています。車輪の中心軸を回すのではなく、外周を回すのです。そのため、車輪の位置、半径、モーターの軸の位置に精度が要求されます。

僕の場合は、最初に動かしたときは右の車輪が空回りして、ライトを当ててもその場をくるくる回るだけでした。車輪をはめる穴を、ほんの少しだけ削ったり、モーター方向に近づくように力をいれつつ取り付けたりして、空回りは回避できましたが、モーターの回転の伝達力が左右で違うことには変わりなく、期待通りには光源を追ってくれませんでした。それでも、だいたいの方へは走ってくれます。

小学校高学年から中学生までの電子工作教室でも使っているとのことなので、車輪とモーターの調整のコツがわかれば、精度良く動くのかもしれません。

購入先:アールティのロボットアイル(秋葉原) 価格:ロボット本体が1,500円。別売りのライントレースユニットが900円。